MasaichiYaguchi

パルプ・フィクションのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
4.0
クエンティン・タランティーノが「レザボア・ドッグス」に続いて手掛けた監督第2作で、1930~40年代のアメリカで流行した大衆向け雑誌の犯罪小説をモチーフに、3つのエピソードが交錯する斬新なスタイルで描いたクライムドラマは、トリッキーでスリリングに展開する。
ギャングのビンセントとジュールスは組織を裏切った青年の家を訪れ、盗まれたトランクを取り返す。
また、ボスから愛妻ミアの世話を頼まれたビンセントは彼女と2人で夜の街へ繰り出すが、帰り際にミアが薬物を過剰摂取し昏睡状態に陥ってしまう。
絶体絶命のピンチに陥ったビンセントは、伝手を使って何とかピンチを切り抜けようと奮闘する。
一方、落ち目のボクサーであるブッチは八百長試合を引き受けるが裏切って勝利を収め、恋人とともに街から逃亡を図る。
果たしてブッチは追っ手から逃れて彼女と逃避行に成功するのか?
一見、全く関連性がないように思われた3つのエピソードだが、何れのエピソードでもメインキャラクターがピンチに陥って何とか凌いでいくが、そして終盤に向かうに連れ、それらが予想だにしない形でリンクしていく。
時間的な順序とは異なったストーリーの流れという手法で構成されたタランティーノ監督の本作は、その持ち味を発揮した初期の代表作だと思う。