軽快なブラックジョークのオンパレード
本当に軽く、人を痛めつけることを厭わない人間たちのストーリー。これと言ったテーマがあるわけでもなく、誰が主体というわけでもなく、物語に軸があるわけでもなくといったかんじで、ただただ雰囲気を楽しむ映画。
音楽チョイスもなんか偏ってる気がして、映像に対して選んでいるというよりも、音楽が主体で映像を撮っているようなかんじ。チョイス的にも監督が好きな音楽が好きなんじゃないかな。
それと結構簡単に人が殺される。この映画の面白いところは人が殺されることに対して大義とか名分とかがないところで、行き当たりばったりで、たまたま銃があったから撃ってみたくらいのテンションでポンポン人が死ぬ。
その割には陰鬱な雰囲気はなく、どことなく軽快で、人が死んだことなど大したことではないとでも言いたげなシーンが続く。
全体的に思いつきで撮ったような感じがするのだけれど、脚本に破綻はないし、長回しのシーンが多いのにテンポは良いしでバチバチにセンスが効いてる不思議な映画。
良かったんだけどなんか鼻につく映画だった。「パルプ・フィクションが好き」って層と「時計仕掛けのオレンジが好き」っ層は多分同じ。