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ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレのktyのレビュー・感想・評価

3.3
原題の『ヒラリーとジャッキー』がほのめかす姉妹の愛、
幼少時代のかわいい二人が成長し、異なる人生を歩むのを、カメラの視点を通じて観客が見守る映画です。

人間の発声音域に近いチェロの音色と、控えめの環境音が主人公の心の移り変わりに寄り添うようでした。

最初の砂浜の彩度が、成長したジャクリーヌの衣装の彩度と符合するセンスが物語の一貫性を貫いているように感じました。

また、お姉さんのヒラリーの田舎生活での穏やかさと、海外で活躍しながらも張り詰めた生活を強いられるジャクリーヌの辛さの対比が切なかったのですが、それとは関係なく作品としての音楽の魅力は多くの人の心に響くのが皮肉というか芸術の残酷さを表現しているようでした。

英語がスラングがなくて品のある発音で聞き取りやすかったのでヒアリングにもいいですね。
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