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きっと ここが帰る場所のleylaのレビュー・感想・評価

きっと ここが帰る場所(2011年製作の映画)
3.8
ロックスターを全盛期に引退し、歳を取っても派手なヘアメイクをしたシャイアンをショーン・ペンが演じる。いつもカートを引っ張って歩く、風変わりだけど内気で純真な元ロックスターの役づくりが魅力的。

30年以上会っていない父が死に、アイルランドから故郷のアメリカへ。父がナチスの残党を探していたことを知った彼は、父の代わりにその隊員を探しに旅に出るロードムービー。元ロックスターとホロコースト、意外な組み合わせが新鮮。やや散漫な展開と思うところもあったけど、クスッと笑える小ネタもあり、最後の方はけっこう面白かった。旅を通して子供から大人になったシャイアンが見せるラストの素の笑顔がすばらしい。移動中の広大な風景も見応えあり。

タイトルはトーキング・ヘッズの曲から、デヴィッド・バーン本人も出演していて音楽も担当。U2ボノの娘が出演したり、劇中でイギー・ポップの曲が流れたり、何気ない会話の中に「犬の名前がフーで、内なる怒りを秘めた犬だ」など音楽好きの心をくすぐるシーンもしばしば。シャイアンのヴィジュアルはキュアーのロバート・スミスがモデルだそう。音楽好きの方にはに刺さるかも。
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