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ザ・セルのrage30のレビュー・感想・評価

ザ・セル(2000年製作の映画)
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連続殺人犯の精神世界に入り込む女性の話。

人の心の中に潜入する話という事で、精神世界の描写は超現実的で良かったと思います。
キューブリックの『シャイニング』やデヴィッド・リンチ作品を想起する様な、奇っ怪で悪夢的な世界観が印象的。
実際、リンチ作品はリファレンスの一つだったらしく、その他にも芸術作品が引用されているので、アート関係に詳しい人なら、より楽しめるのかもしれません。

一方、物語的には平板で、もうちょっと捻りが欲しいところ。
精神世界を探る中で、真犯人が明らかになったり、意外な動機が明らかになったりとか、そういうミステリー的な要素があっても良かったかなと。
折角、精神世界に入るのだから、普通の捜査では出来ない、飛躍のある展開を見たかったですね。

ただまぁ、映像的には難解というか、シュールな描写が続く分、物語は分かり易くしたのかもしれないし、107分に収めた上映時間も好印象。
なので、想像していたよりも見易い作品でした。
無駄に色気を振り撒くジェニファー・ロペスは勿論、若くて細いヴィンス・ヴォーンや、金髪サイコなヴィンセント・ドノフリオも見れるので、興味があれば是非。
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