Yuto

イントゥ・ザ・ワイルドのYutoのレビュー・感想・評価

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)
4.3
いい意味で大自然の雄大さを感じさせてくれる文明批判の映画かと思ったら、その一面を保ちつつもこんな世の中で生きる僕たちへの愛情たっぷりの人間賛歌だった。

彼は旅立った、きっと逃げたかったんだと思う、法の目から逃れたいけど、同時に自分の目を現在から逸らしたかったんだと思う。
旅をしてる人を見て、みんな苦しいんだなって思った。ヒッピーはハッピーじゃないんだな、彼らは悲しいんだなって、、、。
人間社会から自由になろうと思った彼が行き着いたのは、無償の隣人愛であり、、、経験の共有であり、、、。経験することじゃなくてね。

たまにいるんだよな、ああやって全てを捨てて自分の欲するままの状態で欲する場所へ身を置くことに挑戦できる人。自身が定義する自由のためなら、物はもちろん、受けている愛だって、栄光だって、歴史すら捨てられる人。
それを勇気と呼ぶのか、馬鹿と呼ぶのか、英断と呼ぶのか、無知と呼ぶのかは分かんないけど、そんな「憧れの愚行」は僕にはできない。きっとそれができるのは死すら受け入れる準備ができた時だろう。捨てなきゃいけないもの、捨てられないものが多すぎる。

それにしても大自然に身を置きたい、あのギターの音を聞きたい。
そのうち、いつか、旅に出ようかな。いつになるかは分からないけど。
Yuto

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