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ブルース・リー/死亡の塔のJOURNEYのレビュー・感想・評価

ブルース・リー/死亡の塔(1980年製作の映画)
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 中学1年の時、オトンに付き添ってもらい大阪・梅田の梅田東映パラスに。

 そういやオトンには、よう映画に一緒に行ってもらった、しょうもない作品でも嫌な顔せず、オトンも映画好きやったからなぁ~、そんな中でも、とびきりの詐欺映画を。

 リー本人は殆んどと言っていいほど出てこんのに、1本無茶な新作を作ってしまい 『ブルース・リー 何ちゃら』 と題名にするのはいかがなものかと。

 が、しかし偽物ブルース・リーやそっくりさんブルース・リーの活躍に振り回された世代のオイラとしては “ブルース・リー”、“ドラゴン”、“カンフー” という言葉を見聞きしただけで憑りつかれた様に劇場に足を運んでしまうものなのだ。

 肝心の物語としては、始まって数分後にはヘリコプターから転落して殺されるという設定で、早々にスクリーンからリー退場、ここからは弟が兄の仇を討つという展開で、弟役のタン・ロン (そっくりさん第一人者) の独壇場となり、そっくりさんショーの始まりで単なるカンフー映画に成り果ててしまう。

 最後にラスボス、チン・クー役のウォン・チェンリー (香港映画の悪役ってこいつしか居らんのかい!) と闘うんやけど 『死亡の塔』 とは到底言いがたい、地下秘密基地なんで心の中で “なんでやねん!” とツッコミを入れて笑ってしまおう。

 あらゆる面で無理があるので、ブルース・リー名義作品として観ずに単なるカンフー作品として観れば結構楽しめるかもよ。

 話は脱線しますが、オイラのコレクションの中に 『ブルース・リーと101匹ドラゴン大行進!』 という本がある、その中で “いんちきブルース・リー、ひと山百円!” ってコーナーに、そっくりさんが大集合している、ドラゴン・リー、ブルース・リャン、ブルース・リィ、ブルース・リ等々。

 “ブルース・リィとかブルース・リ” ってなんやねん!、驚くことに、そのブルース・リィ主演で 『新 死亡遊戯 七人のカンフー』 って作品を本家リーの 『死亡遊戯』 よりも先に公開しとる、香港映画は元々台本自体が存在しないんで本家よりも先に “新” や “続” が公開される事が多々ある、愛しき香港映画は何でもありなのだ。
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