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浜辺の女のzhenli13のレビュー・感想・評価

浜辺の女(1946年製作の映画)
3.6
なんだか奇妙な不思議な映画だ。ジョーン・ベネットはフリッツ・ラング『緋色の街』でも肖像画になる役だったな。丸っこい目と唇にムスッとした表情が魅力的なのだ。本作では悪役ではないもののファム・ファタル的な要素が十分にあり、ロバート・ライアンの悪夢の中に登場するようにどこか現実の女性ではないような役柄ではある。悪夢に囚われ続けるロバート・ライアンも自分を病気だと言っており、妻役のベネットとの諍いによって盲目となった画家役チャールズ・ビックフォードも見えない妻とかつての自分の作品、特に妻の肖像画への妄執に囚われており、不健康な人間同士の三角関係となると、ロバート・ライアンの元々の婚約者ナン・レスリーはどうしても蚊帳の外になる。彼女だけ健全な心を持っているように見える。
ロバート・ライアン二本立てとなったが、どちらも歪んだ人格の役だった。
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