はる

かぞくのくにのはるのレビュー・感想・評価

かぞくのくに(2012年製作の映画)
4.0
帰国事業で北朝鮮に渡った兄が治療のため25年ぶりに一時帰国する。久しぶりの再開を喜ぶ家族でしたが、兄には監視役が着き重苦しい雰囲気。
兄が再び北に戻っていくまでの短い時間の家族の物語でした。
在日コリアン2世のヤン・ヨンヒ監督自身の体験がベースになっています。

監督のドキュメンタリー3作品を見てきたので、歴史的背景やご家族のエピソードなどはバッチリ予習済み。妹役の安藤サクラは監督とイメージが似ていたからすんなり物語に入り込めました。
北朝鮮から一時帰国した兄役には井浦新。ずっと目が死んでいました。口にしてはいけない事をたくさん抱えている事が表情から伝わります。
分かっていたけど、やっぱり勝手な国でしたね。工作員まがいの仕事の勧誘には開いた口が塞がらない。

でも、お兄さんが北に渡った原因は日本にもあります。
当時のあからさまな人種差別も関係しているんだから、ここも忘れちゃいけないですね。

ベールに包まれたあの国の事を、リスクを抱えながら伝えている作品だと思います。
とても勉強になりました。
はる

はる