りょうすけ

コックと泥棒、その妻と愛人のりょうすけのレビュー・感想・評価

3.5
「コックと泥棒、その妻と愛人」

近くの劇場での「ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティブ」に先立ちU-NEXTで鑑賞できる本作を鑑賞。とにかく色彩が美しい作品だった。マイケル・ガンボン演じる泥棒とその手下達が経営するレストランで起きる泥棒の妻とその愛人の物語。とにかく汚くて倫理観がぶっ飛んだ世界観だが、美しさを感じてしまう。

今や綺麗なおばあちゃんというイメージのヘレン・ミレンの大胆なヌードやセックスシーンがあったり、「レザボア・ドッグス」以前のティム・ロスが相変わらずイカれたキャラで出演していたりと豪華キャストの割にこんな内容が許されるのかと思うほど。

特に子供向けのファンタジー作品でメインキャラクターを演じているマイケル・ガンボンがこの様な役を演じているというのは非常に驚きだった。別に彼の出演作を「ハリー・ポッター」しか観たことがないわけではないが、どうしてもそのイメージが強すぎるので…

豊洲の「IHIステージアラウンド東京」で撮影したかの様な舞台展開の作品で、視覚的な魅力には富んでる一方、展開的には割と冗長なため家で鑑賞するにあたって120分集中力を継続させるのが難しいという欠点もある。しかし、終盤の怒涛の展開を観れば、そこまで観て良かったと思えるだろうから、一見する価値は十分にあると思う。

本作を観てピーター・グリーナウェイの世界観を十分に楽しむには集中力が必要不可欠であるという学びを得られたのでレトロスペクティヴは出来るだけ全ての作品を観に行こうと思う。
りょうすけ

りょうすけ