ディグ

ゾンビ/米国劇場公開版のディグのレビュー・感想・評価

ゾンビ/米国劇場公開版(1978年製作の映画)
5.0
【このレビューはブログからの抜粋のため
少し長文になります。ご了承ください】

この映画はホラーと言われているが
実はホラーではない!

監督のロメロじいちゃんは
世の中にゾンビというモンスターを広めた立役者。
現在確立されている
モダン・ゾンビのスタイル
(脳を破壊するまで倒せない。
噛まれると感染。死体なので走れない)
は、この監督が決めたルールじゃ。

この人の映画はぜんぜん怖くない。
怖くないって時点でホラーなのかどうかも
不可解だが、ものすごくおもろい!
で、考えさせられる!(←ここ重要)

だから、わー!つって驚くだけの
ホラー映画を期待している人には
不満な作品かもしれない。
そらそうだ。なんども言うが
ホラーの見た目を借りた
社会派作品なんだから!

ピッツバーグで独立プロダクションを営む
彼の作品は、ハリウッドのように
大金をかけていないし、
大々的な宣伝もできない。
ホラーに仕立てているのは
興行を成立させるための手段で
本来は文芸作品とか撮りたい人なのだ。
(自分でもそう言ってる)

ズバリこの作品のテーマは
大量消費社会への警告。
ゾンビが制作された1978年頃
丁度、大型ショッピングセンターが乱立し
街の個人商店は次々とつぶれていった。
そんな中、休日に巨大ショッピングモールを
彷徨う人々を見てロメロじいちゃんは
「まるで死人みたいなんだぜ」と思ったそうじゃ。
つまりゾンビとは、我々自身じゃないか!

ショッピングって楽しいなー!
あれ・・・でもなんか孤独。
この映画を見ればわかると思うが
ずっとそんな空気だど。

モノホンのゾンビ好きにとって
「ゾンビ」とはただ一つ
ロメロ印の作品だけを指す。
ロメロじいちゃんの許可なく
勝手にルール変更をし、
走るゾンビを作っても
深みもへったくれもない。

ゾンビに深い映画体験なんて
求めてないんだぜ〜という方は
リメイク版の『ドーン・オブ・ザ・デッド』を
ご覧になれば、よろしいんじゃないでしょうか。
きゃー怖い!つって楽しめるんじゃないすか。
ディグ

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