へい

ある結婚の風景のへいのレビュー・感想・評価

ある結婚の風景(1974年製作の映画)
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めっちゃ長い、ほぼ2人が密室で喋る。離婚前から離婚後までの時間経過で変わりゆく2人が。

2時間以上つまらない鼻につくインテリ夫婦の上流階級の会話が密室で続くなぁ、と思ってたらいきなりの急展開。でも、それもどれも全部密室で2人で喋ってるだけなのにすごい。
人生の不確かさ、2人の抱えてた思い、爆発する気持ち、ありとあらゆる感情が伝わる。
上から目線で支配して、奥さんの話を聞かず見向きもしない男がどんどん行き詰まっていくのが面白い。余裕な人生なんてない。自分が責めて追い込んだことを見向きもせず、自分の悲しみや哀れさだけを曝け出して奥さんに戻ってきて欲しいと懇願する、この自分勝手でエゴできな行動めちゃくちゃ分かるような気がする。
ラヴウルマンが5時間で劇的にカッコよくなる。情けない姿、から元気な姿、悲鳴をあげる姿、慄く姿、自信に満ち溢れた姿どれも凄い。全部アドリブかってぐらい感情こもっている。夫に秘めていた思いを曝け出すシーンが1番ノリに乗ってたな、と思う。半笑いでキレながら呆れる。
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