よつ

ロブスターのよつのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
3.9
『哀れなるものたち』が好きな作風だったのでヨルゴス・ランティモス作品を掘ってみる。
ランティモス作品は音楽のセンスが抜群に良いと思う。弦楽器の不穏な響きが本作にピッタリだった。

独身が許されない世界を描いたSFブラックコメディ。
独身者は施設に送られ、45日以内にカップル成立しなければ動物に変えられる。Abemaあたりの恋愛リアリティ番組でありそう。
カップルのメリットを説くレクチャーがあったり、モチベを上げるためにスタッフに性器を刺激されたり、逃亡した独身者を捕獲するとタイムリミットが伸びたり、施設の描写が面白かった。
意中の人に気に入られようと無理やり相手との共通項を作って失敗するなど、寓話的なエピソードにも富んでいる。
あの施設にいたら絶対メイドのお姉さん好きになる自信ある。

施設を脱出して加入した独身コミュニティもまた地獄。そこでは逆にカップルが許されない存在で、イチャつくと厳しく罰せられる。非モテの男子高校生みたい。

レア・セドゥ演じる独身コミュニティのリーダーや、施設一のハンターである情のない女など強烈なサブキャラが多かった。

オリヴィア・コールマンとレイチェル・ヴァイスは『女王陛下のお気に入り』でも引き続き重要な役どころを演じている。
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