もやし

素晴らしき哉、人生!のもやしのレビュー・感想・評価

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)
4.8
落ち込んでる人に薦めてる人が多いイメージの作品。
初めて見ました。
こういう話だったんですね。良い話ですね。

主人公は野心家で、能力もあって、でも家業を継ぐことに決めて、自分の思いをしまいこんで頑張る。
父親の方針で、利益ばかりではなくて人のためにがモットー。
良い人と結婚できて、子供もできて、これでいいのか…?とどこかで思いつつも、毎日を全力で生きる。
それがひょんなことで一瞬で全てが崩れてしまう。

本当にこういうのってあっけないんだなと思う。
ちゃんと生きるという、ただそれだけがどれだけ大変なことか。
人生は苦しい。

もう死ぬしかないのかなあ…
そこに天使が現れ、あることをしてくれる。

自分が当たり前に享受していることがどれだけかけがえのないものかを知る。

自分がどれだけ色んな人と助け合ってきたかを知る。
どれだけ温かい人達に囲まれていたか。
感動。



でも、何だろう。
少し私は悲しかった。
友を愛せば救われる、とあった。その通りだと思った。

でも私は周りの人を大切にできていない。
私にそうしたい気持ちがあっても、上手くいかない。
そういう人はどうなるのかな。
やっぱりそういう人は救われないのかな。
誰にも愛されていない人間はどうなるのだろう。
誰も愛せない人はどうなるのだろう。
この苦しみは、嘆きは、誰かに届くのだろうか。
わからない。
でもできる限り人を愛したい。
不器用なりにも愛したいです、私も。

主人公は最後は一度きりの自分の人生、取った選択肢、それで良かったと思えたようだけど、私は自分の人生を自信を持って振り返られない。
できれば目を背けたい。

主人公のような心境になれたらいいな。
もやし

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