なつこ

野良犬のなつこのレビュー・感想・評価

野良犬(1949年製作の映画)
3.7
せっかくおこもり連休なので、黒澤作品イッキ見することに。父が録画してたWOWOWの三船敏郎特集をごっそり貰ってきました(笑)

若手刑事村上が拳銃を盗まれ、その拳銃を使った事件が次々と起こっていく…。
村上はずっと罪悪感を背負いながら捜査を続けていく…

最近の映画はだいたい全員の顔が分かっていて、そのなかから犯人は誰だ?もしくは最初から犯人が分かってることが多いので、観る側が刑事と共に犯人の顔が分からないまま話が進み、人々の証言から、人物像を想像して観ていく流れは、ドキュメンタリーみたいで面白かった。

この頃から「今どきの若いもん」っていう言葉があったんだなーと、変なところで感心してしまったw

白黒でも伝わってくる、夏のうだるような暑さ。
踊り子の楽屋の密は凄かったなぁ。
当時はあんな感じだったのだろうか。

おおらかな先輩刑事の志村喬がめちゃくちゃいい感じなんですよね〜。
何となくキューピーを手に取って戻す、とか、良い意味で遊びのある動きが心地好い。

カメラワークも細かい。
汚れた靴から見せていくとか、血が白い花の上にポタリと落ちるのとか、あのあたりの間のとり方がとても好き。

ただ、この時代まで遡ると、セリフやナレーションの音声が聞き取りづらいですね😂もの凄い集中してないと聴き取れなかったりして、ちょっと疲れましたw
それが無ければ、もっとスコア上がる気がする。
技術の進歩は本当にありがたいなぁあと改めて感じた作品でした…
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