盗まれた拳銃の捜査を描く、黒澤のノワール。捜査で出会う人々が豪華俳優(全員が当時有名だったかは分からない)。
最初の方で警察の捜査(科学捜査も)の様子が描かれる(「裸の町」を参考にしたのかな?)。残りの部分では戦後の町の様子・風俗がよく分かる。
脚本が巧み。途中で志村喬が現れて空気がガラッと変わる。ヤマ場で待っていた雨がようやく降る。ラストはまた1人で犯人を追い掛ける。「誰を追うか」でパート分けされていて、筋を追いやすい。
クライマックスは顔の分からない犯人を見つけるサスペンス。犯人を演じる役者が分かると、まさにピッタリ!とテンションが上がった。
映像はずっとキメキメではないけど、うまいシーンが多くてさすがだと思う。長回しを使って、人の動きやカメラワークで見せるシーンが多い。一部カット割を使ってるのはセットが狭いからだろうか。
2020/12/24 DVD
2015/10/2「生誕110年 映画俳優 志村喬」@フィルムセンター