【日記映画】
MUBIのストリーミング性能を確かめるべく、ジョナス・メカスの3時間ドキュメンタリーを観てみた。
ジョナス・メカスは実験映画のゴッドファーザーといわれ知っていたものの、なかなか観る機会がなかった。なので初メカス。
本作は、メカス監督がリトアニアからアメリカに亡命し20年間撮り溜めた映像を繋げた謂わば日記映画だ。
なので、映るのはジョナス・メカスの生活の断片のみ。故にジョナス・メカスに思い入れのない人にとっては全く知らない他人のホームビデオを3時間も魅せられる感じがして苦行だ。私はかなり退屈だった。
ただ、ジョナス・メカスは本作を通じて文字どおり『失われた時を求めて』いたのではないだろうか。リトアニアから亡命し、アメリカ社会との狭間で折り合いをつけていった20年間。貧しく、虚無だった人生の断片「LOST」を集めていくことでアイデンティティを再構築したのではないだろうか。
本作はジョナス・メカスのジョナス・メカスによるジョナス・メカスのための映画と言えよう。
よってブンブンは土足で彼の世界に踏み込んでしまったことを反省した。