ゴダール監督×アンナ・カリーナ主演のクライム/コメディ。
「1分間の沈黙」やダンスシーン、ルーブル美術館を駆け抜けるシーンなど、印象的な場面がいくつも。
男2+女1の3人組による犯罪劇は、後の『冒険者たち』『明日に向って撃て!』に連なる系譜。
パリの街で、小悪党の男2人に運悪く巻き込まれてしまった女性の映画‥ といえば、ジャン・ユスターシュの『わるい仲間(1963)』を思い出したりもする。
ゴダール自身によるナレーションがユーモラスだったりポエティックだったりするのも見所。
始まって8分ほど経ったところで
「遅れてきた観客のために、映画の要点を説明しよう」との補足ナレーション!
極めつきは
「次回は2人の新しい冒険をシネマスコープ/テクニカラーで熱帯を舞台に語ることにしよう」ってww
こういうのもある。
「横を向く彼女の髪が風で乱れた。喋り続ける彼は、彼女の横で女の温かさと香りを感じた。何か分らずに目を上げると、彼女の語りかける目があった」とか、
「彼らは清らかに澄んだ空の下、吊り橋を通り、無表情な川を渡った。宮殿の正面は静寂そのもの。水は淀み、空気は血の味がした」とか、
「人々が一体にならないのは変だと思わない?
―― つまり、結びつこうとせず、はなればなれだ。皆がバラバラで、不信と悲しみを抱く」とかね。