コータ

はなればなれにのコータのレビュー・感想・評価

はなればなれに(1964年製作の映画)
4.3
ゴダール監督×アンナ・カリーナ主演のクライム/コメディ。

「1分間の沈黙」やダンスシーン、ルーブル美術館を駆け抜けるシーンなど、印象的な場面がいくつも。

男2+女1の3人組による犯罪劇は、後の『冒険者たち』『明日に向って撃て!』に連なる系譜。

パリの街で、小悪党の男2人に運悪く巻き込まれてしまった女性の映画‥ といえば、ジャン・ユスターシュの『わるい仲間(1963)』を思い出したりもする。


ゴダール自身によるナレーションがユーモラスだったりポエティックだったりするのも見所。

始まって8分ほど経ったところで
「遅れてきた観客のために、映画の要点を説明しよう」との補足ナレーション!

極めつきは
「次回は2人の新しい冒険をシネマスコープ/テクニカラーで熱帯を舞台に語ることにしよう」ってww

こういうのもある。
「横を向く彼女の髪が風で乱れた。喋り続ける彼は、彼女の横で女の温かさと香りを感じた。何か分らずに目を上げると、彼女の語りかける目があった」とか、

「彼らは清らかに澄んだ空の下、吊り橋を通り、無表情な川を渡った。宮殿の正面は静寂そのもの。水は淀み、空気は血の味がした」とか、

「人々が一体にならないのは変だと思わない?
―― つまり、結びつこうとせず、はなればなれだ。皆がバラバラで、不信と悲しみを抱く」とかね。
コータ

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