TnT

はなればなれにのTnTのレビュー・感想・評価

はなればなれに(1964年製作の映画)
3.8
暗くてもどかしい雰囲気。街の重い息づかいがもろに聞こえる感じがする。男二人と女一人、銃があり車があり、その先に金がある。そんな単純な、それこそB級映画みたいなストーリーだが、決して陳腐になっていない。ポップな音楽と反対にその暗さが立ち現れている。

英語教室での目線のやり取りや、タバコのやり取り、電車内で歌うシーンなど面白いシーンがたくさんある。いつもゴダールの映画は語るのが難しいが、そうしたエモーションに訴えるようなシーンが沢山あると実感。何か死や終わりの予感が近づく中、まるでそれまでの暇潰しのように戯れる彼ら。

この続編として「気狂いピエロ」が位置していると今さらながら気づいた。
TnT

TnT