こさむ

リリイ・シュシュのすべてのこさむのネタバレレビュー・内容・結末

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

蓮見雄一と、その親友だった星野修介。
その2人を繋いでいた存在、歌手のリリイ・シュシュ。
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星野と雄一たちは、不良が大人から巻き上げた大金を掠めとって沖縄旅行へ行く。
仲のいい少年たちだった。
星野は親の会社が潰れたことで暴力的になり、クラスメイトを刺したことから過激な行動がエスカレートしていく。
星野は雄一をイジメるようになり、誰も手がつけられない凶暴な少年になっていった。
雄一は自分が運営するリリイ・種々のファンサイトで「フィリア」と名乗り、他のファンと交流し安らぎを得ていた。
そのファンの1人が青猫だった。青猫とフィリアは、リリイのコンサート会場で待ち合わせの約束をした。
待ち合わせの目印に、青リンゴを持っていくことを約束して。
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当日、雄一はリリイのコンサートで星野から青リンゴを渡され、星野が青猫であったと理解してしまう。
雄一は人混みに紛れ星野を刺し殺し、それがリリイのコンサート日に起きたことから、リリイ・シュシュは「不吉な女」というレッテルを貼られる。

凶暴な星野の、現実とネット上での人格の違い。インターネットの闇。
それを最も近くで感じてしまった雄一は、もう何も信じられなくなっただろうなと思う。

だいぶ鬱屈としていて重い。映像や演出がおしゃれで唯一無二なので、思春期に観たときは多少影響された。
けど今では胸糞悪さが先に来てしまう。

星野は救われたがっていたんだろうけど、他人を傷つけている時点でその資格がないだろうと思う。だいぶ冷めた目で見た。

雄一が星野を刺した理由に「星野を肉体から解放して救うため」という見方をしている人もいたけど、星野に都合良すぎて苦手な解釈。
星野は罰を受けるべき存在としか思えなかった。

不良経由で雄一たちに金を盗られたオタクっぽい人、すごいかわいそうだなと思う。
もう見返すことはない。
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