アルフレッドおじさん

真夜中のカーボーイのアルフレッドおじさんのレビュー・感想・評価

真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)
3.6
Amazon primeで視聴。
スターウォーズとシナリオ構成が見事に逆になっているとの話を聞いて視聴してみた。

【この物語を一言で言うと】
ジゴロで一旗上げようとトラウマだらけのテキサスからニューヨークに向かったジョーが相棒のリコと出会い見事に夢破れていく話

【この物語を通して主人公は何を手に入れるのか?】
まともに働くことを決める

【似たような他の作品と何が違うのか?】
公開当時では、アメリカンニューシネマの代表格で映画やアメリカに対し批評的だったところ(と予想)

【感想】
スターウォーズとのシナリオ構成の比較については検討しきれてなくてわかりませんでした。

僕ら団塊ジュニア世代が、よく目にした物語の定番展開に疑問を投げかける作品群は、こういった映画の影響なんだろうなぁと思いました。

物語の基本構造は行って帰ってくるですが、行きのバスと帰りのバスの差分がそのままジョーの成長だと思います。(勘違いかも知れませんが、ニューヨーク行きのバスは左から右、ニューヨークからフロリダ行きのバスは右から左に進行している印象になっていました。)

彼がニューヨークから持ち帰ったのは、世間に迎合し働かざるをえなくなった諦念、ションベン塗れの友人の死体、犯罪を犯した罪です。ジョーは幼少期に虐待を受け、数々の理不尽に晒され、ここではない何処かに逃げ出しました。その逃避の行き着く先は、逃げ出す前よりも更に酷い世界だということです。それでも、この救いのない世界で片寄せあって生きてきたジョーとリコの友情は本物でしょう。そして、この本物が、結局、金には敵わないからこそ、世界は残酷で今日も美しいのだと思いました。

僕、闇金ウシジマくんの楽園くんが1番好きなエピソードなんです。楽園くんは真夜中のカーボーイと似ているなぁと思いました。真夜中のカーボーイと楽園くんのシナリオ構造を対比してみるのは面白そうだと思いました。