くろきつ

犯人に告ぐのくろきつのレビュー・感想・評価

犯人に告ぐ(2007年製作の映画)
3.6
日本中を震撼させた連続児童殺人事件の犯人をメディアを使って追い詰めていく前代未聞の劇場型捜査を描いたクライムサスペンス。

豊川悦司がニュース番組に出演して連続児童殺人の犯人に追い詰める刑事を演じた雫井脩介によるベストセラー小説の映画化。劇場型捜査という大胆な捜査方法が題材だから派手なエンタメサスペンスだと思っていたけれど、実際はローテンポで豊川悦司の渋い演技が映える大人のための刑事ドラマといった感じだった。緊迫感があるかというと犯人と直接対峙することがほとんどないためにそこまでなかったが、淡々としているようで着実に犯人に近づいているので飽きずに観ることができた。石橋凌や山中崇、笹野高史に嶋田久作などの名バイプレイヤーたちが揃っていて特に笹野高史の頼れる執事という雰囲気の刑事がカッコよかった。主人公が劇場型捜査の責任者となり、とある事件の影響で主人公が異動させられていた足柄警察署の笹野高史演じる刑事を捜査に参加させようと説得するシーンは男の絆っていう感じでフィルムノワールの雰囲気があった。ドラマ感は否めないものの渋い雰囲気で面白い映画だった。
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