その体型から子ブタと呼ばれいじめられていた少女がいじめっ子たちが誘拐される現場を目撃したことから始まるスペイン製スリラー。
ブタと呼ばれ凄惨なイジメを受ける少女を演じたラウラ・ガランがゴヤ賞で最優秀新人女優賞を受賞した個性派スリラー。予想外の展開続きで飽きさせないジャンル映画の秀作。殺人鬼との関係性も奇妙ながらもファンタジックで夜空に打ち上げられる花火がバックとなるシーンは妙に美しかった。この映画の力強い場面の数々は恐ろしいほどに脳裏に焼きついた。ジャンル映画でありながら少女の心理描写が丁寧に描かれており、「トーク・トゥ・ミー」で監督が言っていたようにジャンル映画は重要なメッセージを伝える上で最も良い。この映画もジャンル映画の中にイジメや自尊心についての批判が含まれていた。社会派スリラーであるとも言える。この先この映画はカルト的人気を誇ると思う。
