あしからず

死神の谷/死滅の谷のあしからずのレビュー・感想・評価

死神の谷/死滅の谷(1921年製作の映画)
4.2
いい意味でラングのイメージが覆った。死神と人間の邂逅という怪奇と幻想は古典ドイツ映画を踏襲しながら、オリエント・ヴェネチア・中国と3つの時代の描写はファンタジックかつエキゾチック、さらに果てはキリスト教的自己犠牲&魂の救済と贅沢盛り。命の蝋燭はまんま落語の「死神」で同じグリム童話からの引用らしい。
グラスが一瞬砂時計に変わる所や画面いっぱいの端の見えない壁(死の象徴)のモチーフなど作中の人物たちのみならず自らの寿命のことが過ぎって戦々恐々としてくる。
様々な監督にインスピレーション与えてるようだけどこれ自体は「イントレランス」からの影響大では。ベルンハルト・ゲッケの死神は原題まんまで、人間味があってなんなら少し愛しい
あしからず

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