ごまよ

スラムドッグ$ミリオネアのごまよのネタバレレビュー・内容・結末

スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

インドのスラム街出身で学があるわけでもない青年ジャマールが、クイズ$ミリオネアで正答を連発する。医師や弁護士などの学識高い人でも成し得なかった奇跡は運か、不正か、それとも運命(It is written.)か。
クイズの問いと、その答えをジャマールが知るに至った経緯・過去が交互に展開される構成が面白かった。正答出来て賞金が上がっていくにも関わらず、ジャマールがずっと苦しそうな表情をしているのは、その答えは人生の苦難とともに得たものだったからかなと思った。「ラーマ神が手に持っているものは?」と問われて、“知りたく無かった”と語ったことからも、お金よりも得たかったもの(失いたく無かった人)があるというジャマールの価値観が窺える。
そんなジャマールに対して、兄のサリームは生涯を通してお金への執着が強く、時に何者よりもお金を優先させていた。(幼少期に弟の宝物であるサインを売る。ラティカを売ろうとし、阻止する弟に銃を突きつける。)弟を失明の危機から守るなど、根っからの非情な悪人というわけではないが、貧困の中に生まれた為か、お金に対する執着が強く、過ちを犯してしまう。死に際、お金を敷き詰めたバスタブの中で亡くなったのは、“お金に溺れた”彼の人生のメタファーなのかなと思う。
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