赤尾慎之介

忠臣蔵の赤尾慎之介のレビュー・感想・評価

忠臣蔵(1958年製作の映画)
3.8
じつは一度も観たことがなかった忠臣蔵。定番と呼ばれるエピソードの数々も、そのほとんどが初見。

なかでもグッときたのは物語の中盤。垣見五郎兵衛と対峙するシーン。「勧進帳」をモチーフにした演出なのだろうが、役者の力量の良さもあってか、心臓が汗をかくような緊迫感と深い感銘を覚えた。

しかし、これだけ自己保身や合理性を捨て、ただただ義に走る“日本の心”が、現代の若者にどれだけ響くのだろう。肌感覚としては、私の世代までがギリギリのような気もするが…。

これから長く歌舞伎を楽しんでいく上で『仮名手本忠臣蔵』は避けては通れない作品。そういう意味では教養として観ておくのに最適な一本。長谷川一夫、市川雷蔵、鶴田浩二、勝新太郎、京マチ子、若尾文子、淡島千景、山本富士子など当代のスターを楽しめる作品としても◎。
赤尾慎之介

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