ヴぇる

アラビアのロレンスのヴぇるのレビュー・感想・評価

アラビアのロレンス(1962年製作の映画)
3.6
他国のために自分の信じる道を、耐えて、貫き、そして成功に導いた果てに得たものは何なのかを考えさせられる映画だ。

「AFIアメリカ映画100年シリーズ」の5位にランクインしている
今作は207分と本当に長い。良い点としては、雄大な砂漠や戦闘シーン、会話等はたっぷりに時間をかけ雰囲気を盛り立てるのに非常に大きな効果を発揮している。
しかもストーリー自体はスラスラ入っていくので飽きることは無い。
逆に悪い点としては、同じシーンが長すぎるためにいつまでも続きそうだと感じることや、区切りが分かりにくいために息の付き方というか、今作品との付き合い方が難しい事だ。

脚本自体は勿論素晴らしい。遠く離れたアラビアの生活や習慣、人柄を感じるとることが出来るし、一つ一つのエピソードが必要不可欠で展開が変わる事に心が惹き付けられる。単純に楽しめた。

さらに、セット、衣装、乗り物、映画を構成するすべての物が最高峰の美しさと質で構成されており、シンプルに金がかかってると感じる。しかもそれが必要な演出なのだから全てが噛み合わさってると言わざるを得ない。

ただ、一つだけ言うと、長尺のためか集中力が切れて演者が誰かわからなくなることがあったのも事実だ。
ガシムが居なくなった時には彼が誰かはよく分かっていなかったし、ダマスカスの病院で平手打ちした男がその後食堂で握手を求める男であり、ロレンスの葬式の際に教会の入り口で記者に抗議する男だったのはwikiを見ないと一生気付かなかっただろう。

総評としては、非常に面白い映画だが、やはり当初の長いという欠点はそのまま出てしまったが、それでも見る価値はあるといった作品だ。
ヴぇる

ヴぇる