半兵衛

バルスーズの半兵衛のレビュー・感想・評価

バルスーズ(1973年製作の映画)
2.8
犯罪まがいのことをしてだらだら過ごす二人の若者が色々な女性をナンパしてやりまくるという日本のポルノ映画でよく見るフォーマットをフランスでやるとこういう感じになるのか。ただ2時間という長時間を全体的に遊戯めいたことをダラダラやっている部分が多くて次第に退屈してくる、そう思うと60分というポルノの時間制約はだらけている内容でも時間が無いプラスポルノシーンに移行しなければならないので物語の無駄を省きスピーディーなテンポを自ずと形成させていたことに気づく。

それでも伊佐山ひろ子みたいなミュウ=ミュウ、そこらへんの素人と変わらないレベルの若かりし頃のイザベル・ユペール、主人公二人におっぱいを吸われるブリジット・フォッセーと出てくる女優がすごい豪華なため興奮しながら見てしまう。しかも皆惜しげもなく裸になる。

そして何よりビビるのはジャンヌ・モローの登場シーン、彼女が出てくるとそれまでのだらけた空気が一変し緊張感が出てきて、文芸映画のような趣を感じる物語に変貌するのはさすがとしか言いようがない。それでいてちゃんと情事の場面で裸(他の女優よりは遠慮しているけど)になっているし、主役二人と複数プレイまでこなしてしまう。彼女の最後もかなりのインパクトがあるけれど、それ以上に怖いのがジャンヌ・モローの顔立ちが中年らしくやや老けているのに、うなじから首筋にかけて若い女性のような美しさがあるところ。

他のレビューでも触れているけれど、主人公二人と抱き合っても不感症なため感じなかったミュウ=ミュウが別の男とのセックスで初めて絶頂に達して喜んでいると怒った二人に川に投げ飛ばされるシーンがコントチックで爆笑してしまう。

死ぬフラグが立ちながらも、あっさりと回避するラストが70年代らしい。
半兵衛

半兵衛