人間の血を吸って生きるヴァンパイアのデカダンス。人間の心を捨てないヴァンパイアの哀しみ。この2つがこの映画のコア。
ブラピ演じるルイは''人間の心を持ったヴァンパイア”で、ブラピはその哀しみを表現していたが、全体的にはデカダンスが圧倒的に足りていない。トム・クルーズなんかYOSHIKIにしか見えなかったし。ブラピにトム・クルーズが絡んでも、Aバンデラスが絡んでも妖しさが無い。
それに引きかえ、幼いキルスティン・ダンストの退廃ぶりといったら! 無邪気なデカダンス、肉体が成長しない女の哀しみ、ルイへの愛憎、それら全てを体現している。当時、彼女はいったい何歳だったのだろう?
エンディング曲が「Sympathy for the Devil」で、これ以上はないはずの選曲なのに、Guns 'n Roses版の「Sympathy〜」もやはりデカダンスが足りていない。
Guns版なのはゲフィン繋がりだからで、良くも悪くも90年代前半のショービズ作品。