網走刑務所を出所した男(高倉健)が、訳ありの積荷を乗せたトラックに乗り込み、真冬の峠越えに挑戦する。高倉健主演の人気シリーズ第4弾。1965年度の邦画興行収入第2位にランクインしている(第1位は「赤ひげ」)。
お馴染みのメンバーとシチュエーションを大前提としながら、様々な変化球を楽しませてくれる作品。冒頭部の監獄シーンでは、由利徹と砂塚秀夫のゲイカップルがインパクト絶大であり、他の演者が笑いを堪えているように見える。
中盤部に入ると、トラックを利用した、峠越えのロードムービーへと転調(ロケ地は士別地方)。「真冬の北海道で西部劇をやる!」という奇抜なアイデアが炸裂しており、道中における紆余曲折を即興演出のように描いている。
まだあどけない顔立ちをしている大原麗子が、明朗闊達なヒロイン像をボーイッシュに好演。やはり女子のショートヘアは「耳丸出し&うなじ丸出し」が至高であることを、あらためて痛感させられる。