久しぶりのベルイマン作品だったが、前に見たものとは違った雰囲気で、とんでもないものを見てしまった！という感覚が残る。
舞台女優のエリーサベットは本番中に突然喋れなくなり入院することになった。身体・精神的に異常はなかったが改善の兆しが見られなかったため、看護師のアルマと海辺の別荘で療養する事になる。
アルマは前から好きだった女優と過ごせると嬉しくなり、献身的に支えながら、身の上話もする様になる。そしてある日、誰にも知られたくない過去の出来事を喋ってしまう。
エリーサベットに投函を頼まれた手紙を見ると、アルマの過去の話を面白がっているという内容で激怒する。そこからだんだんとアルマとエリーサベットの境目が曖昧になっていく。
まず冒頭にサブリミナル的に男性器が映し出されてギョッとする。その後、男の子がスクリーンに映し出された顔にそっと手をかざす。誰の顔かはぼやけていて分からないが、女優エリーサベットを見ている観客、飛んで解釈すると映画を見ている人と画面の中をイメージしているのかな。
映画の途中、アルマが怒った時にフィルムが焼き切れた様な演出が入ったり、後半には一部のシーンが二回再生されたりなど、フィルムなど写し手を意識せざる負えない異化効果の様なものを感じた。
なんだか凄いという事は分かるが上手く言語化できない。これは詳しく調べなくては。
