しゅん

つながれたヒバリのしゅんのレビュー・感想・評価

つながれたヒバリ(1969年製作の映画)
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新文芸坐シネマテークにて

まず、クラドノのスクラップ工場のロケーションが最高。野外に置かれた膨大な鉄の山、タイプライターや十字架などブルジョワ的・反共産主義的なものならなんでもありの鉄くずの存在感が良すぎる。そこに「教育」のため集められた哲学教授、サキソフォン奏者、コック見習いなどはみ出し者たちの絶妙なセリフの応酬がさらに最高。すぐ側で働く国外逃亡に失敗した女囚たちが美人揃いでこれまた最高。内容も最高なのだがいちいち説明するのもめんどくさくなってきた。ラストシーン、大寺さんは楽観的と説明していたけど、僕には地下への降下と遠ざかる光が死の隠喩に思えて、両義的な終わり方だなと感じていた。
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