とある理由で仕事を放棄し身体が訛ったボンドが、所属組織と尊敬すべき上司の危機を知り、何とか騙し騙し組織と上司を狙う強大な敵と戦う話。
ダニエル・クレイグ版のボンドが板についてきた感じがする。今まで緊張してました？と言わんばかりのお茶目な一面も見せてくれる。スマートという言葉は全く似合わないが、やんちゃでお茶目なボンドが観ていてとても楽しい。
そしてヴィランのハビエル・バルデムの演技がえげつなく良い。初登場シーンは、遠くからある小話をしながら近づいてくるんだけど、そのシーンがバリバリに良い。めちゃくちゃヤバい大物でサイコな奴だというのがそれだけで伝わってくる。監督の手腕もあるんだろうけどハビエルの表情や話の仕方が凄い引き込まれるし、それだけで好きになれる。最高。ダークナイトのジョーカーと比較はあまりしたくないが、サイコ感で言えば似たヤバさを感じられる。
ストーリーは、監督が変わったこともあるんだろうけど、ちゃんと観せる映画になってたなという印象。
前二作品に比べ、見せ場も随所にしっかり作りながら、ストーリーは一貫した目的で進んでいく。なのでちゃんと物語に追いつきながらハラハラしたアクションを楽しむことができ、観ていて安心のできるできだった。
ボンドらしさもあるし、ボンドらしさを少し外した良さみたいなのもある。
最終決戦の初手の武器が猟銃って…何というか原始的なパワープレイも魅せてくれる最終決戦が最高すぎる。
観てよかったなと思える一本だった。
