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007 スカイフォールのMiYAのレビュー・感想・評価

007 スカイフォール(2012年製作の映画)
3.8
久々の視聴。改めて見るとよく出来ています。

まず、元MI6のエージェントであるシルヴァ(ハビエル・バルテム)が、自分を裏切ったM(ジュディ・デンチ)に対して復讐をするという設定が上手い。悪の帝王が世界的な陰謀を企てるというような話ではなく、あくまで個人的な復讐物語となっているところは非常に新鮮です。そして、ボンドは脇役にまわり、Mの「人生の総括」の物語が立ち上がるのです。個人の物語だから、そこに感情が宿る。そこが面白い。

MI6の手の内を知り尽くしているが故に、シルヴァは打ってくる策は予測不可能で、ことごとくMI6の裏をかく。本作の魅力は、見応えのあるスリリングな攻防にあります。

クライマックスの籠城戦というシチュエーションも珍しく、工夫を感じます。惜しむらくは、シルヴァとの対決にもう少しアイデアが欲しかったかと。また、こんな物語だから、ボンドガールの入り込む余地がないのが本作の急所です。そこはちょっと寂しい。

「ノー・タイム・トゥ・ダイ」までを見届けた今、ダニエル・クレイグの全出演作を総括すれば、やはり「カジノ・ロワイヤル」と本作が出色かな、と。

BS日テレにて。
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