ミシンそば

フェイシズのミシンそばのレビュー・感想・評価

フェイシズ(1968年製作の映画)
3.3
カサヴェテスが“インディペンデント映画の父”と呼ばれる由縁とでも言うべき作品。
観る前はマーレイとローランズが夫婦役かと勘違いしてたけど、ローランズは娼婦で、妻役がカーリンなのね。
この映画の製作背景には自宅を抵当に入れ、自身の役者としてのギャラも製作につぎ込み、スタッフはボランティア。
他にも狂ったような逸話があるのは有名な話だが、個人的にはそこまで刺さらず。

素晴らしいシーンも数多く散りばめられてはいるのだが、インディペンデントの旗手としてのカサヴェテスの作家性はまだまだ粗くて観づらいものもあり、結構寝落ちしかけてしまった。

夫婦役の配役を意外に思ったのもそうだが、若かりしシーモア・カッセルの出番も意外に少なく、ランタイム全体の半分過ぎた辺りからの登場だった(まあ、かなりいい仕事してたが)。
前の方の座席で観てた二人のおっちゃんが終わるや否や「いやぁ、良かった」と絶賛していたから、いつか自分にもそんな時期が来るのかなと、思っていたい。