Violet

ニュー・シネマ・パラダイスのVioletのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

映画好きの人には是非とも見て欲しい作品。
映画が好きでよかったと心から思える。

親子のようであり、親友であった
トトとアルフレードの関係に何度も涙が溢れた。

「人生はお前の見た映画とは違う。自分のする事を愛せ。子供のころ映写室を愛したように」

「この街はまぼろしなのよ。」母のその言葉の後にまぼろしの象徴であるニューシネマパラダイスは取り壊される。
現実を生きなさいとでも言うように。

アルフレードの形見のフィルムを鑑賞するラストシーン。そのフィルムはかつてカットされたキスシーンだけを集めて繋げたもの。アルフレードはトトとの約束を守り、フィルムを預かってくれていたのだ。

「お前に電話すると、いつも違う女性が出る。でもお前を心から愛してる声をまだ聞いていない。聞けば分かるの。お前が誰かを愛して落ち着いてくれれは嬉しいわ。」
この母の言葉と、キスシーンを繋ぎ合わせたフィルムから、
傍に居られなくなることがわかってもトトの幸せを願ったアルフレードや母親が居なくなった後も、そうしてトトのことを心から想い愛してくれる存在を見つけなさい
そんなメッセージが聞こえてくるよう。

劇中の「王女と兵士のおとぎ話」でも、兵士は99日目に待ち続けることをやめた。
それは自分が相手に与えるだけの関係だったから。兵士も自分を大切にしてくれる存在を見つけようと思ったのだと、わたしは思う。
(完全版では正しい解釈があるみたいなので、わたしの解釈は間違ってるのかもしれないけど)

▼かわいいかわいい幼少期のトト
幼少期のトトがかわいすぎる
・アルフレードと自転車に乗るシーン
・火事が起きてから映画館の仕事はトトが任されることとなる。アルフレードがその姿を見ようとパラダイスを訪れた時に、トトが「アルフレード!」と駆け寄って抱きつくシーン
・小学校卒業試験のシーン。

▼名シーン
・映写機で街の壁に映画を映すシーン
・水上ボートの上で映画を見るシーン。
映画を見たいと群がる人々。映画が愛されていた時代。

テレビ映写機の発明により、映写技師が映画の始めから終りまでを見届ける必要もなくなってしまった、そんな物悲しさをも感じる。

▼楽曲
主題曲である「Cinema Paradiso」
どこか懐かしく温かみのあるこの楽曲が本作を更に忘れがたいものにしている。
Violet

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