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ニュー・シネマ・パラダイスのcsgのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

劇場版は映画館が主人公、完全版はトトが主人公になります。数シーンの違いで趣旨が変わってくるのも映画の魅力、監督の編集次第なんですね。
公開当時は日本でもテレビ、レンタルビデオが隆盛を誇り映画は斜陽産業で私の住んでいた都内の駅前でも数件あった映画館がなくなった頃です。
そのためこの映画は昔は良かった…と言うシニア世代の懐古趣味かと思っていました。戦後帰還できなかった兵士や引揚げのニュース、廃墟の街並みなどは自分は直接経験してはいませんが、同じ敗戦国、同じ時代を過ごしてきた親世代から話は聞かされていました。
最後の映写室のシーンも最初は予想通りと思っていました。ただ、どんどんと映画が出てきて止まらない。これでもかと続くと中には自分が視聴したことのある映画が含まれています。そう、アルフレッドとトトのフィルムコレクションが自分自身の映画鑑賞履歴と重なり自分のコレクションと錯覚し始めました。ほんの数秒しか流れないシーンでも本編が頭に浮かんできます。その映画作品の事だけでなく、初めて観た時や見逃した名作を観て感心した時の情景や感情が思い起こされ、映像の持つ魅力を認識できる映画でした。
その為、旧い映画を多く観られている方とそうでない方で評価が分かれる様な気がします。(選民思想ではなく周り人の評価からの考察です)
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