昔祖母の家の近くにあった映画館が
小さな煉瓦造りで古びた建物で
自分が物心ついたころには
閉館していた。
また、青春時代に通った映画館も
もう記憶の中にしかない。
そんなことを思い出さずにいられない。
子供の頃住んでいた町を
10年以上を経て訪れたときの
寂れた空気や知らない建物や
知り合いが老いたのを見たときの
あのなんとも言えない感じを
この映画で感じることになった。
それはこの作品を初めて見た後のことで
不思議なことに若いときに
映画で体験したことを
現実の生活で追体験することになった。
だからこそ歳を重ねるごとに
この映画のラストの感慨が
より深まっていくのだろう。
人生で大切なことは
学校で学ぶことだけではないと
思わせてくれる。