ゆみ

ニュー・シネマ・パラダイスのゆみのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

昔の映画フィルムってとても燃えやすくて危険だったのね、知らなかった。
映画の仕事は命がけだけど、夢がある。人々は娯楽としての映画を求め、映画は発展を続けてきた。技師のおじさんと、主人公の少年の笑顔が素敵で、温かい気持ちにさせられる。そして、シチリアの貧村の風景、生活の様子と、唯一の娯楽として人々の喜怒哀楽が分かち合われながら存在する映画館。これはいい映画だ、と前半部まで見て思った。

後半部。
正直、男女の熱い恋や愛というのとは縁の遠い生き方をしてきた自分には、昔の初恋の女性を執拗に求める主人公にあまり共感はできなかった。
しかし、そんな熱愛の主人公の女性との仲をわざと捨てさせ、過酷な一流への道を目指すよう仕向けたアルフレードの主人公への思いと、彼の人生の挫折や孤独に胸を打たれた。残された寄せ集めフィルムのシーンには言葉にならない感動でいっぱいになった。平素なら私だってしかめ面をして早送りしちゃうような、こそばゆいシーンが、可笑しくもあるけれども、美しく切なく見えた。
ゆみ

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