スマホもトイレ休憩も取り上げられて已む無く映画と対峙する環境、即ち映画館で脂汗垂らすみたいに集中力を捻り出して観て初めて気付く事ってあるわよね、と。
特に好きでもないけど流れてりゃ観る、それで時間を無駄にしたと思った事はないけれどもその理由はジェイソン・ステイサムが好きだからというだけではない、くらいの印象だった本作の、どこがチャームだったのかはっきりと分かった気がしますよ。
詰まり「マトリックス」以降の作品である筈なのに「ダイ・ハード」以前の大味アクションみたいな、なんで、が連続する物語の展開に加えて。
山場の大スタントシーンがもろに70年代風の、泥臭いアクションと、やられ役の大仰なリアクションを逐一拾って針小棒大に見せる妙味な編集で色付けされてあって。
その沈んで掘り起こされる事もなくなって久しい記憶の澱を、刺激してくるからだったんじゃないかしらね、と。
だったらそこはおっぱい出さなきゃ駄目だろスー・チー、と思いましたよね、と。