ENDO

ディス・イズ・イングランドのENDOのレビュー・感想・評価

4.2
私たちの生きる世界と地続きである。島国であり格差があって貧困で…誰しも寂しさには耐えられない。誰かしらに認められたい。主演のショーンのように少年から青年への過渡期には何もかもが刺激的だ。スキンズのリーダー・ウッディの優しい包容力。だが刑務所帰りのコンボにより仲間の絆にヒビが入る。ウッディは実はファッション・スキンズであり、コンボは殺伐とした環境で育ち社会を恨んでいる。持たざる者は暴力で内なるユートピアを想像しその他の人々を排除する。ショーンの純粋な魂は父の喪失で空いた穴を自分を肯定してくれる擬似的父親により埋め、ありもしない純血主義へと向かい一線を越えた場所にたどり着く。パーティーに乱入する気まずさと言ったら…国粋主義者コンボの幼い暴力衝動、移民への恐喝。より弱い立場の者へと還元される恐ろしさ。表面上取り繕っていたレイシズムは簡単に決壊。過酷な通過儀礼で大人になるのだ。
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