みんと

真珠の頚飾/真珠の首飾りのみんとのレビュー・感想・評価

真珠の頚飾/真珠の首飾り(1936年製作の映画)
4.1
マレーネ・ディートリッヒが女泥棒を演じたロマンティックコメディ。
ディートリッヒの唯一のコメディ映画でもあるらしい。

パリで宝石商から真珠の首飾りをだまし取った美貌の女泥棒マドレーヌは、スペインの検問所で出会った休暇旅行中のアメリカ人青年トムのポケットに首飾りを隠す。無事に国境を突破し、これが縁で2人は恋に落ちるのだったが……。

やっぱり悪女役がしっくり来るディートリッヒ。とは言え、宝石をかすめ取る手口はスムーズだけどなかなか変で笑っちゃう。けど、ちゃんとラストに繋がるとは?見事!

ディートリッヒのお相手役はシュッと長身イケメンゲイリー・クーパー。ルックスとのギャップが大きいお茶目ぶりはオードリーとのコンビとはまた違って魅力的だった。

それにしても、ソフトフォーカスされた映像で、ここしかない完璧なアングルのキスシーンが美しいったら!
音楽とも相まって古典ならではのロマンティックさと美しさにうっとり。

悪女っぷりが見事すぎる前半と恋に落ちた後半の表情の変化はまるで別人。恋する女の表情そのもの。もしかして細いアーチ眉の角度も違ってた?笑

そして個人的なツボをしっかり押さえる粋で知的な台詞回し。ユーモアも小粋。
モロじゃなく想像させる愛の描き方に至っては品を感じる。

円滑なストーリー展開、美しいライティング、うっとりする衣裳とセット…
製作エルンスト・ルビッチをビシビシ感じるエレガントで上質な泥棒映画だった。

好み!
みんと

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