垂直落下式サミング

ターミネーター3の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

ターミネーター3(2003年製作の映画)
5.0
またやって来たシュワちゃん。審判の日は先延ばしにされただけだったのだ。それはあまりにも強力な運命。気を抜いていると背中に追いつかれる。じゃあ、2の犠牲ムダだったじゃん。ストーリーの軽快さと、つるべ落ちのアクションに反して、先のみえない絶望感が襲う。
そんなことより、敵は初の女ターミネーター!未来から来るときは、スッポンポンでなきゃダメっていう設定がはじめて活かされたのが本作。うれしい!
開幕早々、心配して声をかけてくれたブルジョワババアを殺すとかいう外道さもあるが、同時に痛快でもある。何よりかわいいし、バストアップで女を武器にするなどしていて、自分の意思が無さそうだったオッサンの旧型とは違い、自立した自己がありそうだしで、その性格が俗っぽそうなのもいい。
反乱軍の兵士たちのおかれた過酷な状況を鑑みるに、血みどろの戦場でこんな美女に出会った日には、銃の引鉄を握る手も緩むというもの。
機械軍の潜入用戦術兵器ターミネーターを、よりいっそう殺傷能力を高めようとグレードアップを続けた結果、ムキムキのオッサンよりも、こういう色仕掛けが有効ってようやく気付いたのだろうなぁと、スカイネットの愚直で涙ぐましい研究熱心さがひしひしと伝わる。
表情豊かなのがいいよなあー。カーチェイスでシュワちゃんにイッパイくわされてやられるところのマヌケ面とか、ボンベで殴られても全然効かねえぞどんなもんだって得意気な表情とか、強力な磁力で張りついてなす術なく身体が溶けていってむごごごごっと悔しそうにジタバタするところとか、爆弾を口に突っ込まれて破壊されるときのウエェェンやめてよぉーっと泣き出しそうな情けない負け顔とか、ポンコツみがあって大好き。可愛いは作れる(製造工程)
いちばん可愛いところは、ジョン・コナー発見シーン。股を大きく開いたヤンキー座りで床に落ちてるガーゼを拾い、血を舐めてデータベースからDNA照合してみたら「バカな…、近くにジョン・コナーがっ…?!」って驚く。ムムッ、これはっ(; ゚’ ロ゚)!!みたいな表情。かわいすぎる。無表情ロボ子ちゃんだったのに、まさか最重要抹殺対象に偶然エンカウントするとはッ!あまりの事に口あんぐり。
ここでビックリしすぎて、高性能な最新型のくせに、一歩出遅れてターゲットを取り逃がすのはターミネーターの面汚しもいいところ。そうとうイラついたのか、眉間にシワを寄せて車のガラスをグーパンで粉々に粉砕するところまでが最高。かわいいなあ。勝たせてあげたかったなあ。