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死への逃避行のENDOのレビュー・感想・評価

死への逃避行(1983年製作の映画)
4.0
セリ・ノワールなのにミシェル・セロー演じる『鷹の目』が妙に陽性だから余り深刻に見えない。亡き娘マリーに重ね合わせたカトリーヌを追跡するのだが、殺人を止めるでも逮捕するでもなく傍観しひたすら付いて回る。最も良好な夫婦関係を築いた盲目の富豪に至っては自分の手に掛けてまで、放浪を強制する。地元に戻り場末のウェイトレスになるまで転落させていく様は狂気。所々見え隠れする年に一度の電話で集合写真に写っているはずの娘を元妻に問いただすが正解がわからず偶像に浸ることもできない。写真をヤクザな同業者に奪われ失い、メモ紙に朧げな記憶で再現した絵を描くのだが、虚ろな表情の並んだ不気味さは欠損した人間特有の陽性さとでも言うのか。ブリアリが仲間の探偵役でカメオ出演してました。
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