死への逃避行の作品情報・感想・評価

「死への逃避行」に投稿された感想・評価

yukako

yukakoの感想・評価

4.5
何と言ってもイザベルアジャーニ。夜の闇で振り向いた時の目の奥に揺れる一抹の寂しさと陶器の様な白い肌たるや、鷹の目は彼女に何を見たのだろう。
‪富豪の男性を次々に其の手に掛ける美しき殺人鬼と、亡くなった自分の娘の幻影を重ねて彼女を追う私立探偵の共犯めいた逃亡劇。仏映画独特のアンニュイな空気感、変幻自在に姿を変えて冷酷に殺人を犯すイザベル・アジャーニが見もの。‬
なんといってもイザベル・アジャーニが綺麗で、結構楽しめる悪女もの。

最初は老舗の靴屋の息子=ポールが女に引っかかったらしいので探してくれと依頼された探偵(ミシェル・セロー)であったが、その女というのがリュシー・ブランタノなる女。これがイザベル・アジャーニ。とても綺麗。
ところが、あっさりとポールは殺されて、女が湖に沈める。これを見つめる探偵。しかし探偵はこの事件を警察に通報したりしない。
続いて、こんどは富豪と婚約したドロテ・オルティスなる女。これまた、イザベル・アジャーニ。次々と名前を変えていく。結局、この富豪も殺される。この死体処理もなぜか探偵が井戸に捨てる。何故?という疑問わいてくる。
三人目の犠牲者は女。イザベル・アジャーニは、その女とプールで出会い宝石を盗む。
四人目は男。これもプールに居た男。
次に出会った盲目の富豪と付き合う時には、シャルロットという名前。
本名は、カトリーヌ・レリス。逮捕歴あり。
この中盤で「あの探偵は、もしかしたら、あの女(イザベル・アジャーニ)の父親ではないか?」と思わせられたりする。
そして、物語はどんどん進んで、クライマックスへ。

なかなか面白い映画であった。
不思議な映画だなぁ。最後の方のセリフはおしゃれで綺麗に終わる。娘の面影を犯人の女性に重ねる探偵。といっても娘は10歳ぐらいだけど。イザベル・アジャーニになら騙されても殺されてもちょっと許しちゃうかも…それぐらい美しいひとですね。
面白い。
ゆく先々で出逢った人を殺して逃避する女と、彼女を追跡する独り言の激しい探偵の“鷹の目”というおっさん。
Sari

Sariの感想・評価

3.7
2018/04/19 シネフィルWOWOW

姿を変え国を渡り、次々と男を殺人する謎の若い女を、とある依頼をきっかけに1人の中年男の探偵が追う事になる。
探偵には遠い過去、離れ離れになった幼い娘の記憶が付きまとい心の傷を負っている。
謎の女を追ううちに、いつしか自分の娘と女を重ね合わせる探偵。

謎の女演じるイザベル・アジャーニが美しく、ぶっ飛んでいる。
ラストもいかにもフランス映画らしい。
2MO

2MOの感想・評価

3.7
“殺人そのものは語る舌を持たないが、何かが代わりに訴える”
亡きものを重ねる物語は虚構に過ぎないが、その眼差しには愛が存在する。

全部、ウソ。愛してたことだけが本当のこと。

なあに、平凡な男の哀しいひとりごと。
慰めの言葉をクロスワードのように当てはめて、薄れゆくあの日の情景に色を塗り足しているだけ。
謂わば死への逃避行がやがて終わるその日まで。その退屈な旅路に、虚構を覗き込んでは彼女の影を追いかけているだけ。

「誰もが誰かを追っている」
“誰か”は、誰しも過去にいる。
Nightly

Nightlyの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

男を一人殺すたびに姿形が変わって、ホテルを転々としながら車を走らせてただひたすら逃げ続ける女と、その女を執念の如く追いかける中年探偵。生きるべきか、死ぬべきか、結局パーキングの上階からアクセル全開で落下していく。ずっと過去に囚われている、うつくしいひとの話。金髪黒革手袋コートでシェイクスピアを読書する姿と、黒髪パッツングラサンで銃を突きつけるところが最高に好き。
以前ユアン・マクレガーとアシュレイ・ジャッド主演で氷の接吻という作品がありましたがそれよりも先にフランスで映画化されていてしかもオディアール監督が脚本を書いてるということで鑑賞しました。
ほぼ似たような印象ですがアメリカ版のが分かりやすいかな。アメリカ版はユアンが若すぎてどうも違和感を覚えましたがフランス版を見て納得です。こちらの設定のが原作に近いのでしょう。アメリカ版はスノードームの使い方が印象的でしたが、人が殺されてるのに滑稽なシーンがあったり、星占いが出てきたりきれいな壁紙の部屋のテレビには不気味な蜘蛛が大写しになっていたりと漂う幻想的な雰囲気はどちらも好きです。
連続殺人犯のエキセントリックな美人に心を寄せていく孤独な探偵とかいかにも映画らしいお話ですが、過去に深く傷を負った者同士分かり合えるかというと、そこは違うのかも。
otom

otomの感想・評価

3.8
変な映画だな。独り言の激しい探偵が完全に仕事放棄するあたりがフランスらしくもある。イザベル•アジャーニがストレンジな役を演じているだけで成立してしまうのは不思議としか言いようがない。なかなか。
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