ちどりん

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>のちどりんのレビュー・感想・評価

3.9
誰もが一度は聞いたことのある『コーリング ユー』はこの映画だったのかと今更知った。

始めのカメラアングルが独特。

さびれたガソリンスタンドのカフェの女亭主とドイツからの旅行者である2人がそれぞれ夫婦喧嘩をして出会った。
乾いた砂漠がまるで2人の心を表しているかのような舞台。
堅苦しいスーツに身を包んだジャスミンとコーヒーマシンの潰れた汚いお店で年中ガミガミイライラのブレンダ。

旅行者のジャスミンはくたびれた毎日に巻き起こす新しい風であるかのようである。
何度となく投げては返ってくるブーメラン。
失敗して返らないブーメランを眺めるブレンダ。と何気にこの映画ではその他諸々映像が登場人物の心を表しているように感じた。
嫌なことがあったときほど掃除したくなるのも女心。
化学反応を起こした2人がどんどん解放されていき生き生きとする。
そして見る人それぞれが考えられるようなラストの言葉。
私にはお互いがなくてはならない存在になってしまったように。。。寂しい心を埋めたものはつまりそれは依存。。。

とにかくオシャレなカフェやバーで流れていそうな映画であった。
ちどりん

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