南森まち

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>の南森まちのレビュー・感想・評価

3.7
アメリカ、砂漠のど真ん中。ドイツからの旅行者ジャスミンは夫とケンカして、寂れたモーテル兼カフェにたどり着く…というお話

人間関係を深く見据えたストーリーの中に、クスリと笑えるコメディ要素をたくさん入れた群像劇。
各キャラクターの深層心理は深く説明されず、聴衆に想像させる…邦画のいいところを詰め込んだみたいな作品でした。

舞台はラスベガスで、店の名前はバグダッド・カフェで西ドイツ映画!ややこしい!(笑)
ゆったり時間が流れるバグダッド・カフェに、次に何が起こるのか楽しみで仕方なくなる。
個人的には「ここは騒々しくなった…」と去っていくヒトの心理をクドクド説明しないのが、すごく良かった。
そうだよね、これだけ変化したらそういう風に考える人が出てくるのは自然だ。映画は総じてハッピーな話だが、その変化は誰にとっても素晴らしい事ではない。そこを思い出させてくれる良いエピソードでした。

オススメ!