ミッシー

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>のミッシーのレビュー・感想・評価

4.5
バグダッドが舞台の映画なんて見たくないので今まで見ていなかったけど、年末で配信終了、しかも権利の関係で今後の配信はないかもという、勿体ないので見始めたら、なんと舞台はアメリカだった。

感想はネタバレを含みます⚠️



ワンオペで不機嫌な黒人女性、海外ドラマで見覚えがある俳優だ。繰り返しピアノの練習をしている息子、奔放な娘、そこにやってきた旅行者のドイツ人女性、太った中年女性なのが良い、そもそも善良な人のようで、自然と人々から好かれていく。黒人女性とドイツ人女性、互いが風穴を開ける存在となり、抱えている厄介なものを乗り越えていく。

こういう映画の面白いところは答えがひとつじゃないところかな。でも、1987年に見ていたらおもしろさは分からなかったと思う。

黒人女性が始終怒っているのは、誰か助けて、私をわかって、私に優しくして、心の叫びが叶わないからだと思った。追い出した夫はずっと遠くから彼女を見守っている。気づきさえすれば、すぐそばに望むものはあっただろう。

ドイツ人女性は何を考えていたのだろう?夫と旅行先で喧嘩し、自ら砂漠の真ん中で車を降りる。ものすごい決意がなければそんなことできない。夫との別離、そして新たな人生を選択していく。

自分で選ぶ人生、気づきを受け入れる、この映画からはそういったメッセージが感じられた。ドイツ人女性がやってきた一方、「仲が良すぎる」と出ていく刺青ほりの女性。私のYESはあなたのNOかもしれない。

いつかまた観たい、そんな映画だった。
ミッシー

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