emily

キャロルの初恋のemilyのレビュー・感想・評価

キャロルの初恋(2002年製作の映画)
3.5
1938年春、スペイン内戦真っ只中12歳のキャロルは母親に連れられ、ニューヨークからスペイン北部の田舎町にやってくる。母親の故郷で、内戦に加え、別れに対面し、トミーチェの優しさに支えられ成長して行くが。。

内戦の時代背景にみずみずしい時間の中に迫り来る恐怖を常に漂わせ、陰影が自然の中で美しく浮かび上がり、キャロルの成長を繊細に描写して行く。ぐるっと大きな瞳で芯の強さを感じさせるキャロルを演じるのはクララ・ラゴ。短い間にぐんぐん成長し、愛と信じる心を決して忘れない。祖父も周りの大人たちも純粋無垢な子供たちから多くの事を学ぶだろう。

森の深い緑が現実と幻想感を演出し、そこに淡い恋と現実、大人と子供が絶妙に絡み合う。さまざまな試練がキャロルに襲いかかり、そこに小さな恋がみずみずしく浮き彫りになる。試練はただキャロルを成長させ、でも大人になる事により大事なことは見失わない。内戦の悲劇は人を強くし、悲しみは優しさをうみだす。
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