◆あらすじ◆
トニー(ジョン・トラボルタ)は平日は塗料店の販売員として働き、土曜日の夜にディスコで踊ることを楽しみに生きていた。トニーはダンスが上手く、ディスコでも周囲の視線を集める中、ある夜、見慣れぬ女性のダンスに見惚れてしまう。トニーはその女性、ステファニー(カレン・リン・ゴーニイ)に声をかけるもなかなか相手にされない中、なんとか彼女をダンスコンテストのパートナーに誘う。
◆感想◆
19歳の精神的にまだまだ未熟な青年がディスコを通じて年上の女性に恋に落ちる姿を描いた作品となっており、音楽に乗ったダンスシーンが魅力的な作品となっています。
主人公のトニーは兄のフランクが神父として両親から愛される中、家族から憎まれ役だと自覚しており、同世代の仲間たちとつるんで、土曜日の夜にディスコで踊ることのみを楽しみにしていました。トニーの性格は温厚で両親の批判に反抗的になるものの、決して両親を傷つけないようにしており、心の根っこの部分は優しい人物だと思いました。ディスコでのトニーは周囲から一目置かれていて、アネット(ドナ・ペスコウ)など若い女性にも人気がありました。ディスコでのトニー演じるジョン・トラボルタのダンスシーンは動きが良くて、とても楽しそうでした。
トニーはディスコで年上で上昇志向の強い女性のステファニーと出会い、彼女のダンスに惹かれます。ダンスを含め、彼女に恋に落ちたのだと思います。ステファニーはまだまだ子供のトニーを軽くあしらおうとするのですが、トニーが粘ってダンスコンテストに出ることを決めます。本気のトニーと相手にしていないステファニーの心情の格差が2人の行動によく表れていたと思います。
本作ではダンスの華やかさが目を惹く一方、トニーやその友人たちの関係や兄のフランクについてどこかきな臭く、暗さを感じるストーリーが進んでいきます。ステファニーとの関係にうつつを抜かすトニーの心に影を落とすような展開のアンバランスさが印象に残りました。
当時の音楽やダンスを色濃く反映した映像が楽しめるとともに、トニーの精神的な成長を観る作品としてなかなか面白かったです。
鑑賞日:2025年1月9日
鑑賞方法:Amazon Prime Video